イタリアンが好き

イタリア料理を中心に、前菜、パスタ、ピッツァ、メイン料理のレシピと、プロのシェフが使うちょっとしたコツを書き綴るイタリアンシェフのブログ

耳たぶ型の手打ちパスタ オレキエッテの作り方

 ciao‼︎

 

当ブログは、イタリア料理のアンティパスト、プリモピアット、セコンドピアット、ドルチェのレシピの紹介と、プロのシェフが使う、料理を美味しくする一手間、考え方、技法などを紹介するブログです。

 

今回はオレキエッテのレシピの紹介です。

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(オレキエッテ)

 

オレキエッテは、プーリア州発祥の耳たぶ型の可愛いパスタです。

 

まずは簡単にプーリア州の紹介です。

プーリア州はイタリアをブーツで例えると、ヒールに当たる場所に位置します。

 

豊富な魚介類が水揚げされるので、日本同様、魚を生で食べる文化があります。

そして、オリーブオイルの産地でもあり、パンも有名な場所です。

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(パーネ・プリエーゼ)

 

生地の中に、セモリナ粉を入れて焼き上げるこのパンは、その美味しさからイタリア全土で良く知られているパンの一つと言われております。

 

 

プーリア州で、代表的な都市はアルベロベッロ

トゥルッリと呼ばれる白壁でとんがり屋根の可愛い建物が、1500軒ほど並び世界遺産にも登録されています。

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アルベロベッロのトゥルッリ

可愛いですよね〜。

 

もちろん今でも住居としても使われていますし、ホテルやレストラン、お土産屋さんとしても、使われております。

 

 

本題のオレキエッテですが、オレキエッテはイタリア語で「小さな耳」を意味します。

 

最近では、高級志向のスーパーなどに行けば、オレキエッテの乾燥パスタも、売られていますが、オレキエッテはやっぱり、自分で粉を練って成形する手打ちパスタがオススメです。

 

手打ちパスタと聞くと、難しそうですが、オレキエッテはパスタマシーンは使いません。使うのは自分の親指のみ。

コツを掴めば以外と簡単に成形できます。

 

生パスタならではのモチモチとした食感は特に女性に好まれる食感ですし、ソースが、オレキエッテのくぼみに絡んでとっても美味しいです。

 

それでは作り方です。

 

1.パスタ生地を60g用意する。

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2.手のひらで厚さ1㎝ほどに伸ばす。

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(円形に伸ばします)

 

3.1㎝幅にカットして、くるっと生地を90度回転させて、網目状になるようにカットする。

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5.生地を軽く丸めて、親指で生地を手前に引くようにカールさせて成形する。

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(成形中)

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(成形終了)

 

6.くぼんだ面を裏返して完成。

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(裏返すのを忘れずに)

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(たくさん集まると可愛いです)

 

合わせるソースは、プーリア州ではチーマ・ディ・ラーパを、歯ごたえが残らないようにクタクタに茹でて、ニンニクとアンチョビを効かせたソースと絡めて食べるのが代表的なオレキエッテの食べ方です。

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(チーマ・ディ・ラーパ)

 

日本では、チーマ・ディ・ラーパは手に入りにくいので、ナバナで代用したり、ブロッコリーでも相性が良く美味しく作れます。

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ブロッコリーソースのオレキエッテ)

 

オレキエッテのモチモチ感と、深い青苦味にノックアウトしてしまいます。

 

日本では圧倒的にロングパスタが主流ですが、イタリアではショートパスタのシェアが高いです。

 

理由の一つに、イタリアを始めヨーロッパ諸国では、食事に費やす時間が圧倒的に長いです。2〜3時間は当たり前。

ロングパスタに比べ、ショートパスタはアルデンテの時間が長く続きます。

おしゃべりしながら、ワインを飲みながら、時には女性を口説きながらの食事になった時に、アルデンテの短いパスタよりも、アルデンテが長い方が美味しくたべる事が出来る時間が長く続きますし、ワインを飲みながら、つまみのように食べることも出来ます。

食文化の違いから、ショートパスタが好まれているのかなと思います。

 

沢山の人が集まるパーティーの時に作ってあげたら、アルデンテが長くて美味しさが続くのでピッタリですし、愛する人の為に気合いを入れて料理をする時等にも、手打ちパスタのオレキエッテに挑戦してみてくださいね。

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記事を書いた人

古瀬 要(ふるせ かなめ)

 

湘南のイタリアンレストランでシェフを務める。

その後、妻と二人で世界一周の旅に出る。

旅のテーマは“食と農業”  。

各国でCooking Schoolに通い、Farm Stayを経験する。

旅は順調に進むも、9ヶ月目に妻の妊娠が分かり帰国する。

 

旅を通して、色々な国で、働く人をみて感じた、日本人の様に仕事一辺倒にならずに、(日本の飲食業の勤務時間の長さは異常で、持続可能ではありません。)仕事も遊びも心から楽しみ、人生を謳歌するスタイルに共感する。

今は、「脱・日本の飲食業の常識」を胸に、自分らしく持続可能な働き方を見つける為に日々奮闘中。