イタリアンが好き

イタリア料理を中心に、前菜、パスタ、ピッツァ、メイン料理のレシピと、プロのシェフが使うちょっとしたコツを書き綴るイタリアンシェフのブログ

ピッツァ生地のレシピの紹介

ciao‼︎

 

当ブログは、イタリア料理のアンティパスト、プリモピアット、セコンドピアット、ドルチェのレシピの紹介と、プロのシェフが使う、料理を美味しくする一手間、考え方、技法などを紹介するブログです。

 

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(ピッツァ生地)

 

今回は、ピッツァの一番大事な生地のレシピの紹介です。

 

イタリアには、大きく分けるとピッツァ発祥の地であるナポリ生まれの“ナポリピッツァ”と、ローマ生まれの”ローマピッツァ”に分けられます。

 

簡単な見分け方は生地が厚く、モチモチしているのが“ナポリピッツァ”です。

生地が薄くて、パリパリなクリスピーな生地は“ローマピッツァ”です。

 

どちらも美味しいですが、個人的にはナポリピッツァが好きなので、今回はナポリピッツァの生地のレシピになります。

 

ちなみに、ナポリピッツァには、「真のナポリピッツァ協会」というものがあり、真のナポリピッツァを名乗るなら、その協会の定めた、守るべきポイントがいくつかあり、そのうちの一つに、「生地に使用する材料は、小麦粉、水、酵母、塩のみ」というルールもあります。

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真のナポリピッツァ協会に認定された店にしかない看板)

 

美味しいピッツァを食べたければ、この看板の掲げてあるお店へ行けば間違いないと思います。

もちろん、イタリアだけではなく、日本にもあります。

 

それでは材料と、作り方です。

 

材料(3枚分)

・中力粉 250g

・ぬるま湯 150ml

・塩5g

ドライイースト 2g

 

作り方

・大きめのボウルに小麦粉を入れ、塩とドライイーストを離して入れる。

(くっつけて入れると、イースト菌が死滅して、発酵しなくなってしまいます。)

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イーストと塩は離します)

 

・ぬるま湯を入れて、10分〜15分程を目安に捏ねる。生地にツヤが出て、滑らかな手触りになる様に捏ねる。

(ただし、長時間捏ね過ぎるとグルテンが必要以上に出て、粘り気の強い生地になってしまうので注意。)

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(捏ね始め)

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(15分程捏ねた生地)

 

・ボウルにしっかりとラップをして、一次発酵。2〜3時間を目安に。

(30度前後の場所が望ましいと言われています。)

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(一次発酵)

 

・生地が発酵して、元の生地の倍に膨らんだら、130gずつに分割してボール型に成型する。

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(分割して成型)

 

・バットに並べて、生地が乾燥しない様に濡れ布巾をかぶせて、二次発酵。1〜2時程を目安に。生地が倍に膨らんだら完成。

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(二次発酵後)

発酵の原理は、また詳しく紹介しますがとても奥が深いです。

僕もまだまだ勉強中です。

 

ただ、自宅で作る生地なので、あまり温度や、発酵時間にこだわらずに作ってみてほしいです。

季節によって、室内の温度も全然違うので、室内の温度が低かったら、発酵の時間を長めにしてあげないとダメだし、逆もしかりです。

 

こればかりは、自分の手で生地を捏ねて、何度も「トライ&エラー」をしないと、感覚が掴めないのではないかと思います。

 

イースト菌も熱湯を入れたり、凍らせたりしない限り、死滅する事なく生きているので発酵する力はあるので、神経質になりすぎなくても大丈夫です。

 

熟練された、ピッツァイオーロ(ピッツァ職人)は、粉に水を混ぜる時、計量カップで計る事はせずに、自分の手の感覚で、ベストな瞬間を見極めるらしいです。

季節によって、温度も湿度も違います。湿度が違うと、粉の吸水率も変わるので、その違いを自分の手で敏感に感じ取って、ベストを見極めるのは、まさに職人の仕事ですね。

 

本来、料理というものは、レシピありきではなくて、食材の条件、気象条件、気温や湿度に合わせて、微妙に味付けを変えて、微調整する事が、料理の本来の姿なんだと感じています。

 

ぜひ、お家でピッツァ生地作って、好きなものトッピングして美味しいピッツァを食べて下さいね。

 

それでは、buon appetito♬

 

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記事を書いた人

古瀬 要(ふるせ かなめ)

 

湘南のイタリアンレストランでシェフを務める。

その後、妻と二人で世界一周の旅に出る。

旅のテーマは“食と農業”  。

各国でCooking Schoolに通い、Farm Stayを経験する。

旅は順調に進むも、9ヶ月目に妻の妊娠が分かり帰国する。

 

旅を通して、色々な国で、働く人をみて感じた、日本人の様に仕事一辺倒にならずに、(日本の飲食業の勤務時間の長さは異常で、持続可能ではありません。)仕事も遊びも心から楽しみ、人生を謳歌するスタイルに共感する。

 

今は、「脱・日本の飲食業の常識」を胸に、自分らしい持続可能な働き方を見つける為に日々奮闘中。