イタリアンが好き

イタリア料理を中心に、前菜、パスタ、ピッツァ、メイン料理のレシピと、プロのシェフが使うちょっとしたコツを書き綴るイタリアンシェフのブログ

食材は均等にカットするな⁉︎

ciao‼︎

 

 当ブログは、イタリア料理のアンティパスト、プリモピアット、セコンドピアット、ドルチェのレシピと、プロのシェフが使う、料理を美味しくする一手間、考え方、技法などを紹介するブログです。

 

今回は、イタリア料理ならではのちょっと変わった考え方を書き綴ります。

 

料理が苦手な主婦の方の心強い教えになってくれるとも思います。

 

 

食材は均等にカットしない

和食や、フレンチ、中華は食材を同じ大きさに切り揃える事が多いです。

その理由は一つは火の入り方が均等になって、同じ固さ、同じ食感にする為です。

もう一つは、大小が揃っていた方が見た目がキレイという事もあります。

 

でも、イタリア人は逆の発想で考えます。

食材を均等にカットせずに、大小不揃いに切ると、確かに均等に火が入らずに、火の入り方も微妙に違ってきます。

ズッキーニを例にして考えると厚くスライスしたものは同じ時間火にかけたとしても原型が残ります。

スライスに失敗して、ぺらぺらのものができる時もあります。

それはどうなるかというと、ピュレっぽくなります。

その中間の厚さのものは、中間の火の入り方になります。

 

そして、食べた時の食感は、芯が無くてクタクタに柔らかい部分、まだ芯が微かに残ってる部分、火がしっかり入らずに固い部分ができます。

それを口の中に入れると色んな食感が混ざり合い、口の中で色んな違いが生みだされます。

それを良しとするか、良しとしないのか。

良しとしたのがイタリア料理です。

 

もちろん、和食や、フレンチでも、あえて不揃いにカットする事もあるかと思います。

でも、イタリア料理は根底に不揃いで、大小様々な方が口の中に料理を運んだ時に色んなテクスチャーがあって美味しいよね。って考え方です。

 

僕はそんな、ある意味適当なイタリアらしい考え方が大好きです。

 

余談ですがイタリアでは、まな板もあまり使わず手で食材を持ったまま、手で持ちながら空中でカットする事も多いらしいです。

もちろん上手に均等にカットなんか出来るはずもありません。

でも、これがイタリア料理の美味しさの秘訣なんです。

 

料理はレシピ通りに、カッチリと、丁寧に、作るっていう発想を一旦脇に置いて、イタリア人らしく、ラテンのノリで、音楽でも聴きながら、ワイン片手に、適当にゆるく作ってみる事も必要だなと思わせてくれました。

 

イタリアンを作る時に、今まではきっちりと、みじん切りにしたり、スライスする時も厚さを切り揃えていたかもしれませんが、今日からはあまり気にせずに作ってみてくださいね。

それが美味しさの秘訣だから。

 

旦那さんや彼氏さんから、素材の大きさバラバラなんだけど…と突っ込まれたら、技術不足で、食材を均等に切り揃えられなかったのが理由だとしても「これがイタリアらしさなんだよー!」と、声を大にして言ってあげてください。笑

 

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記事を書いた人

古瀬 要 (ふるせ かなめ)

 

湘南のイタリアンレストランで2年間シェフを務める。

その後、妻と長年の夢だった世界一周の旅に出る。旅のテーマは“食と農業”  。

各国でCooking Schoolに通い、Farm Stayを経験する。

旅は順調に進むも、9ヶ月目に妊娠が分かり帰国する。

レストランでの修行時代に、朝から晩まで働き続ける持続可能ではない働き方に疑問を抱いていたので、僕達らしい持続可能な働き方をしよう。と導き出したのが、料理とマッサージ(嫁はマッサージを生業としている)を融合したゲストハウスを作る事。

今はその夢に向かって日々奮闘中。