イタリアンが好き

イタリア料理を中心に、前菜、パスタ、ピッツァ、メイン料理のレシピと、プロのシェフが使うちょっとしたコツを書き綴るイタリアンシェフのブログ

チェリートマトとバジリコのパスタ

ciao‼︎

 

当ブログは、イタリア料理のアンティパスト、プリモピアット、セコンドピアット、ドルチェのレシピの紹介と、プロのシェフが使う、料理を美味しくする一手間、考え方、技法などを紹介するブログです。

 

 

今回は、パスタの中でも人気の高い、トマトと、バジリコを使った、「チェリートマトとバジリコのパスタ」です。

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このパスタは、少しの食材で作れるし、ポイントさえ抑えれば簡単に作れるパスタです。

 

それでは、材料と作り方です。

 

材料(一人前)

・完熟トマト         1個

・バジリコ            適量

サルサ・ポモドーロ    スプーン2杯

・塩                       適量

・オリーブオイル  大さじ5

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作り方

1.パスタを茹で始める

 

2.フライパンにオリーブオイルを回し入れる。

 

3.半分にカットしたチェリートマトの切り口を下にしてフライパンに置く。

スプーン2杯分のサルサ・ポモドーロを入れる。

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4.チェリートマトに塩をふり、火をつける。

フタをして強火で、チェリートマトに早く火を入れる。

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5.チェリートマトが、崩れるくらいの柔らかさになったら、ゴムベラで崩して、バジリコを4〜5枚入れる。

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6.チェリートマトの香りと、バジリコの鮮烈な香りが立ち上がってきて、崩れたトマトがソース状になり、フライパンの中で、ボコボコとトマトソースとオイルが分離する状態まで煮詰めたらソースの完成。

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7.茹で上がったパスタをフライパンに入れて、温度を下げるように箸で30秒程グルグルと混ぜる。

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8.お皿に盛り、残りのバジリコを散らして完成。

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大事なPOINT

1.イタリア料理は食材の特徴を活かして、素材を楽しむ料理なので、完熟した美味しいトマトを選ぶ事が一番大事‼︎

くれぐれも、早熟の緑がかったトマトはNGです。

 

2.オリーブオイルとトマトがそのままソースになるので、たっぷりのオリーブオイルで作る事がこのパスタでは重要となります。

いつもよりも多めのオリーブオイルを意識して下さい。

 

3.完熟トマトだけでも作れるのですが、サルサ・ポモドーロを日本でいう隠し味程度に使うと味に深み、コクがプラスされます。

トマトだけだと、どうしてもフレッシュさ、青臭さが残り、味に奥行きが出てきません。

 

4.ソースの仕上げの段階で、ボコボコと分離するくらいまで煮詰める事で、トマトの水分も飛んで、フレッシュさ、青臭さが抜けて、コクが出て、ソースの濃度も増して、一体感が出てきます。

 

 

 

材料が少なくてシンプルなパスタだからこそ、いくつかの無視できないポイントがあります。ポイントさえ意識すれば美味しいパスタが作れます!

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それでは、buon apptito♫

 

 

 

耳たぶ型の手打ちパスタ オレキエッテの作り方

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今回はオレキエッテのレシピの紹介です。

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(オレキエッテ)

 

オレキエッテは、プーリア州発祥の耳たぶ型の可愛いパスタです。

 

まずは簡単にプーリア州の紹介です。

プーリア州はイタリアをブーツで例えると、ヒールに当たる場所に位置します。

 

豊富な魚介類が水揚げされるので、日本同様、魚を生で食べる文化があります。

そして、オリーブオイルの産地でもあり、パンも有名な場所です。

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(パーネ・プリエーゼ)

 

生地の中に、セモリナ粉を入れて焼き上げるこのパンは、その美味しさからイタリア全土で良く知られているパンの一つと言われております。

 

 

プーリア州で、代表的な都市はアルベロベッロ

トゥルッリと呼ばれる白壁でとんがり屋根の可愛い建物が、1500軒ほど並び世界遺産にも登録されています。

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アルベロベッロのトゥルッリ

可愛いですよね〜。

 

もちろん今でも住居としても使われていますし、ホテルやレストラン、お土産屋さんとしても、使われております。

 

 

本題のオレキエッテですが、オレキエッテはイタリア語で「小さな耳」を意味します。

 

最近では、高級志向のスーパーなどに行けば、オレキエッテの乾燥パスタも、売られていますが、オレキエッテはやっぱり、自分で粉を練って成形する手打ちパスタがオススメです。

 

手打ちパスタと聞くと、難しそうですが、オレキエッテはパスタマシーンは使いません。使うのは自分の親指のみ。

コツを掴めば以外と簡単に成形できます。

 

生パスタならではのモチモチとした食感は特に女性に好まれる食感ですし、ソースが、オレキエッテのくぼみに絡んでとっても美味しいです。

 

それでは作り方です。

 

1.パスタ生地を60g用意する。

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2.手のひらで厚さ1㎝ほどに伸ばす。

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(円形に伸ばします)

 

3.1㎝幅にカットして、くるっと生地を90度回転させて、網目状になるようにカットする。

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5.生地を軽く丸めて、親指で生地を手前に引くようにカールさせて成形する。

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(成形中)

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(成形終了)

 

6.くぼんだ面を裏返して完成。

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(裏返すのを忘れずに)

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(たくさん集まると可愛いです)

 

合わせるソースは、プーリア州ではチーマ・ディ・ラーパを、歯ごたえが残らないようにクタクタに茹でて、ニンニクとアンチョビを効かせたソースと絡めて食べるのが代表的なオレキエッテの食べ方です。

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(チーマ・ディ・ラーパ)

 

日本では、チーマ・ディ・ラーパは手に入りにくいので、ナバナで代用したり、ブロッコリーでも相性が良く美味しく作れます。

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ブロッコリーソースのオレキエッテ)

 

オレキエッテのモチモチ感と、深い青苦味にノックアウトしてしまいます。

 

日本では圧倒的にロングパスタが主流ですが、イタリアではショートパスタのシェアが高いです。

 

理由の一つに、イタリアを始めヨーロッパ諸国では、食事に費やす時間が圧倒的に長いです。2〜3時間は当たり前。

ロングパスタに比べ、ショートパスタはアルデンテの時間が長く続きます。

おしゃべりしながら、ワインを飲みながら、時には女性を口説きながらの食事になった時に、アルデンテの短いパスタよりも、アルデンテが長い方が美味しくたべる事が出来る時間が長く続きますし、ワインを飲みながら、つまみのように食べることも出来ます。

食文化の違いから、ショートパスタが好まれているのかなと思います。

 

沢山の人が集まるパーティーの時に作ってあげたら、アルデンテが長くて美味しさが続くのでピッタリですし、愛する人の為に気合いを入れて料理をする時等にも、手打ちパスタのオレキエッテに挑戦してみてくださいね。

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記事を書いた人

古瀬 要(ふるせ かなめ)

 

湘南のイタリアンレストランでシェフを務める。

その後、妻と二人で世界一周の旅に出る。

旅のテーマは“食と農業”  。

各国でCooking Schoolに通い、Farm Stayを経験する。

旅は順調に進むも、9ヶ月目に妻の妊娠が分かり帰国する。

 

旅を通して、色々な国で、働く人をみて感じた、日本人の様に仕事一辺倒にならずに、(日本の飲食業の勤務時間の長さは異常で、持続可能ではありません。)仕事も遊びも心から楽しみ、人生を謳歌するスタイルに共感する。

今は、「脱・日本の飲食業の常識」を胸に、自分らしく持続可能な働き方を見つける為に日々奮闘中。

 

 

 

 

ピッツァフリッタのレシピの紹介

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(pizza  fritta)

 

今回は、前回ピッツァ生地の紹介をしましたので、その生地を使った変わり種のpizza fritta(ピッツァフリッタ)の紹介です。

 

ピッツァ発祥の地ナポリでは、ピッツァ フリッタはソウルフードとして庶民から親しまれています。

 

冒頭の写真のように見た目はなんとも素朴ですが、その素朴な感じもイタリア料理らしい風貌です。

 

ピッツァフリッタは、大きな餃子のような形をしているので、はじめの一口は必然的に、端っこから食べることになりますが、この一口目で、生地のサクッと、モチッとした生地の食感と、小麦の香りを感じて下さい。

 

そして、一口、二口と食べ進み、中心部分に近づくにつれて熱々の具材と、たっぷりのモッツァレラチーズが顔を覗かせます。

 

中心部分まで食べ進んだ時は、まさに至福の時です。

トローリと伸びるモッツァレラチーズ、高温で加熱されたサルシッチャのジューシーさ、単調な歯ごたえにテクスチャーを加えるブロッコリー、味をグッと引き締めてくれる黒胡椒。

あっという間にナポリへ脳内トリップ出来てしまいますよ。

 

それでは材料と作り方です。

 

材料

・ピッツァ生地 1枚(80g)

ピッツァ生地のレシピはこちらからピッツァ生地のレシピの紹介 - イタリアンが好き

モッツァレラチーズ 30g(2㎝角くらいに切り分ける)

 ・サルシッチャ 40g

ブロッコリー 30g(小さめに切り分ける)

・粉チーズ 10g

・黒こしょう 適量

・塩 適量

 

作り方

1.ピッツァ生地を丸く伸ばす。

中心部分から指で外側に向かって、生地の中の空気を外側へ移動させるイメージで伸ばす。

半分側にすべての具材をのせる。

(のせる順番は特に気にしなくても大丈夫です。)

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(生地を伸ばして、具材をのせた所)

 

 

2.具材の乗っていない側の生地を、具材を包み込むようにして、生地を折りたたむ。

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(折りたたんだ所)

 

3.生地が重なり合ってるところを、しっかりとくっつけるように重ね合せる。

(この時点でしっかりと生地同士をくっつけないと、揚げている時に具材が出てきて悲惨な状況になります。)

 

 

4.200度以上に熱した油の中にピッツァを入れる。

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(油の中に入れると生地がどんどんと膨らみます。)

 

4.両面がきつね色に色づいたら、網に揚げて油をきる。

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(完成したピッツァフリッタ)

 

5.両端に軽く塩を振って完成。

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(分かりにくいですが、カットした断面です)

 

ポイントは、とにかく生地をしっかりと隙間が無いようにくっつける事。

隙間があったり、しっかりとくっついていないと、とろけたチーズが出てきて、油の中ではねます。

僕も何度もその経験がありますが、火傷して危ないので気をつけて下さいね。

 

あとは油を200度以上の高温にする事。高温で揚げる事で、短時間で揚げる事ができ、仕上りも軽い仕上がりになります。そして、サクッと、モチッとした食感になります。

 

言わずもがな、ビールとの相性は抜群です‼︎

 

それではbuon appetito♬

 

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記事を書いた人

古瀬 要(ふるせ かなめ)

 

湘南のイタリアンレストランでシェフを務める。

その後、妻と二人で世界一周の旅に出る。 旅のテーマは“食と農業”  。

各国でCooking Schoolに通い、Farm Stayを経験する。

旅は順調に進むも、9ヶ月目に妻の妊娠が分かり帰国する。

 

旅を通して、色々な国で、働く人をみて感じた、日本人の様に仕事一辺倒にならずに、(日本の飲食業の勤務時間の長さは異常で、持続可能ではありません。)仕事も遊びも心から楽しみ、人生を謳歌するスタイルに共感する。

 

今は、「脱・日本の飲食業の常識」を胸に、自分らしく持続可能な働き方を見つける為に日々奮闘中。

 

ナポリピッツァの歴史

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今回はナポリピッツァの歴史について詳しくマニアックに書き綴ります。

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ナポリピッツァ)

 

まずは、我々日本人にとっても馴染みの深いピッツァですが、発祥の地は、イタリアのカンパーニャ州にある港町のナポリと言われております。

 

カンパーニャ州の有名な食べ物としてはピッツァの他に、パスタもあります。

ナポリから南東に20キロ程の所にグラニャーノという、街があります。

ここがパスタ発祥の地と言われております。

 

南イタリアの硬質小麦と強い太陽、山から湧き出る低ミネラルの天然水、ヴェスピオ火山とサレルノ湾から吹き込む少し湿った風が、まさにパスタ製造にとって最高の土地となったと言われています。

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(グラニャーノで作られたパスタ)

 

ピッツァとパスタと言ったら、まさに日本人が思い描くイタリア料理ですね。

 

話しをピッツァに戻しますが、世界で初めてピッツァが作られたナポリでは、現在でも厳格に伝統的な製法を守ろうとしていて、「真のナポリピッツァ協会」という団体もあり、その団体が定めた作り方や、材料、窯の形等が定められ、明確な基準があり、ナポリ全体で伝統的なピッツァを守ろうと頑張っています。

 

ちなみに、日本人が良く使う「ピザ」はイタリアからアメリカを経由してアメリカナイズされて、日本に入ってきたもので、ナポリ人から言わせると全くの別物です。

本来「ピッツァ」は、生地の小麦の味、香りを楽しむ事が出来るくらいの、トマトソースや、その他のトッピングがあるべきだと考えていますが、「ピザ」は、生地を楽しむという考えは全くなく、トッピング重視で、生地はその具材をのせる単なる台の様な捉え方になっています。

 

僕もタイなどの東南アジアで、現地の人が作る寿司を見たときに、「これは寿司じゃない…。」「一緒にされたくない」と思ったけど、きっとナポリ人も、「ピザ」をみて、同様の事を感じていると思います。

 

その為にも、伝統を未来へ繋いでいく組織がある事は大事な事だと思います。

 

それでは、ピッツァの歴史ですが、ナポリにピッツァらしきものが、生まれたのは1660年頃と言われています。

この元祖ピッツァは、ラード、バジリコ、チーズのみと言う簡素なピッツァで、当時はこのピッツァの事を「マストゥニコーラ」と言う名前で呼んでいたと言われております。

ちなみに「マストゥニコーラ」とは、バジリコの事です。

 

それから、100年近く経った1750年頃になって、現在「マリナーラ」と呼ばれているピッツァが登場します。

現在では、マリナーラは、トマトソースにオレガノやニンニクがトッピングされていますが、当時はピッツァ生地に、トマトソースをのせてオイルをふっただけのシンプルなもので、名前も「オーリオ・エ・ポモドーロ(オイルとトマト)」と呼ばれていたと言われています。

このピッツァが歴史上、トマトを使った第1号のピッツァです。

 

それからさらに100年以上たった、1850年に「モッツァレラ・ポモドーロ・オーリオ」、トマトとモッツァレラとオイルをかけたピッツァが生まれます。

そして、これにバジリコがのった、誰もが知るナポリピッツァの代名詞でもある「マルゲリータ」が登場したのは1889年と言われています。

  

ピッツァと言ったら、「マルゲリータ」ですが、その歴史は130年程なんですね。

もっと歴史ある食べ物だと思っていました。

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(ピッツァ・マルゲリータ

 

真のナポリピッツァ協会」の定める規約には、「すべてのピッツァにバジリコをのせるのが良い」とあるように、ピッツァとの相性は抜群で、バジリコとトマトが結婚した時、初夜を迎えたベッドはピッツァであった。という言い方もある程です。

まさにマルゲリータは、最高の素材の組み合わせです。

 

イタリア料理は、アンティパスト、プリモ・ピアット、セコンド・ピアット、ドルチェ、カフェで構成されます。

(詳しくはこちらの記事を、イタリア料理のコースの構成を詳しく書いてみた - イタリアンが好き

 

ただし、Cucina povera(貧しい庶民の料理)が根底にあるイタリアでは、コース料理は貧しい庶民が毎日口にできるようなメニューではありません。

 

だから、当初ピッツァは、「ピアット・ウーニコ(piatto unico)」、(一皿で済んで栄養価が高いもの)、つまり、コースのようにプリモだ、セコンドだという、形式張った食べ方ではなく、一皿でお腹がいっぱいになる手軽な食べ物としてナポリの人々に歓迎され、大流行したと言われております。

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ピッツァの歴史を知ると、ピッツァを食べる時に一味違う美味しさに気付けるかもしれませんね。

 

《参考文献 至福のナポリピッツァ/渡部陽一

 

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記事を書いた人

古瀬 要(ふるせ かなめ)

湘南のイタリアンレストランでシェフを務める。

その後、妻と二人で世界一周の旅に出る。 旅のテーマは“食と農業”  。

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旅は順調に進むも、9ヶ月目に妻の妊娠が分かり帰国する。

旅を通して、色々な国で、働く人をみて感じた、日本人の様に仕事一辺倒にならずに、(日本の飲食業の勤務時間の長さは異常で、持続可能ではありません。)仕事も遊びも心から楽しみ、人生を謳歌するスタイルに共感する。

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ピッツァ生地のレシピの紹介

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(ピッツァ生地)

 

今回は、ピッツァの一番大事な生地のレシピの紹介です。

 

イタリアには、大きく分けるとピッツァ発祥の地であるナポリ生まれの“ナポリピッツァ”と、ローマ生まれの”ローマピッツァ”に分けられます。

 

簡単な見分け方は生地が厚く、モチモチしているのが“ナポリピッツァ”です。

生地が薄くて、パリパリなクリスピーな生地は“ローマピッツァ”です。

 

どちらも美味しいですが、個人的にはナポリピッツァが好きなので、今回はナポリピッツァの生地のレシピになります。

 

ちなみに、ナポリピッツァには、「真のナポリピッツァ協会」というものがあり、真のナポリピッツァを名乗るなら、その協会の定めた、守るべきポイントがいくつかあり、そのうちの一つに、「生地に使用する材料は、小麦粉、水、酵母、塩のみ」というルールもあります。

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真のナポリピッツァ協会に認定された店にしかない看板)

 

美味しいピッツァを食べたければ、この看板の掲げてあるお店へ行けば間違いないと思います。

もちろん、イタリアだけではなく、日本にもあります。

 

それでは材料と、作り方です。

 

材料(3枚分)

・中力粉 250g

・ぬるま湯 150ml

・塩5g

ドライイースト 2g

 

作り方

・大きめのボウルに小麦粉を入れ、塩とドライイーストを離して入れる。

(くっつけて入れると、イースト菌が死滅して、発酵しなくなってしまいます。)

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イーストと塩は離します)

 

・ぬるま湯を入れて、10分〜15分程を目安に捏ねる。生地にツヤが出て、滑らかな手触りになる様に捏ねる。

(ただし、長時間捏ね過ぎるとグルテンが必要以上に出て、粘り気の強い生地になってしまうので注意。)

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(捏ね始め)

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(15分程捏ねた生地)

 

・ボウルにしっかりとラップをして、一次発酵。2〜3時間を目安に。

(30度前後の場所が望ましいと言われています。)

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(一次発酵)

 

・生地が発酵して、元の生地の倍に膨らんだら、130gずつに分割してボール型に成型する。

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(分割して成型)

 

・バットに並べて、生地が乾燥しない様に濡れ布巾をかぶせて、二次発酵。1〜2時程を目安に。生地が倍に膨らんだら完成。

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(二次発酵後)

発酵の原理は、また詳しく紹介しますがとても奥が深いです。

僕もまだまだ勉強中です。

 

ただ、自宅で作る生地なので、あまり温度や、発酵時間にこだわらずに作ってみてほしいです。

季節によって、室内の温度も全然違うので、室内の温度が低かったら、発酵の時間を長めにしてあげないとダメだし、逆もしかりです。

 

こればかりは、自分の手で生地を捏ねて、何度も「トライ&エラー」をしないと、感覚が掴めないのではないかと思います。

 

イースト菌も熱湯を入れたり、凍らせたりしない限り、死滅する事なく生きているので発酵する力はあるので、神経質になりすぎなくても大丈夫です。

 

熟練された、ピッツァイオーロ(ピッツァ職人)は、粉に水を混ぜる時、計量カップで計る事はせずに、自分の手の感覚で、ベストな瞬間を見極めるらしいです。

季節によって、温度も湿度も違います。湿度が違うと、粉の吸水率も変わるので、その違いを自分の手で敏感に感じ取って、ベストを見極めるのは、まさに職人の仕事ですね。

 

本来、料理というものは、レシピありきではなくて、食材の条件、気象条件、気温や湿度に合わせて、微妙に味付けを変えて、微調整する事が、料理の本来の姿なんだと感じています。

 

ぜひ、お家でピッツァ生地作って、好きなものトッピングして美味しいピッツァを食べて下さいね。

 

それでは、buon appetito♬

 

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記事を書いた人

古瀬 要(ふるせ かなめ)

 

湘南のイタリアンレストランでシェフを務める。

その後、妻と二人で世界一周の旅に出る。

旅のテーマは“食と農業”  。

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旅は順調に進むも、9ヶ月目に妻の妊娠が分かり帰国する。

 

旅を通して、色々な国で、働く人をみて感じた、日本人の様に仕事一辺倒にならずに、(日本の飲食業の勤務時間の長さは異常で、持続可能ではありません。)仕事も遊びも心から楽しみ、人生を謳歌するスタイルに共感する。

 

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イタリアンドルチェ ティラミスのレシピの紹介

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(ティラミス)

 

今回はティラミスのレシピの紹介です。

 

ティラミスはイタリアンドルチェの中でも、代表的な存在で、スウィーツ好きな人はもちろん、皆さん一度は口にした事があるくらい馴染みのある、すっかり日本に定着した感のある定番のドルチェです。

 

僕も修行時代に一番最初に覚えて、仕込んだドルチェなので、思い出が詰まっています。

 

ティラミスは、直訳すると『私を上に引っ張り上げて』。

なんとも言えない素朴さと、新鮮で濃厚なマスカルポーネチーズの美味しさ、仕上げにかけるコーヒーの粉が、甘さの中にキレを生み出して、一口食べると、元気が出るので、『私を上に引っ張り上げて』の意味を持つ、ティラミスという名前がつけられたと言われています。

 

発祥は、ヴェネツィアで有名なヴェネト州で生まれたドルチェです。

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ヴェネツィアの街並み)

 

それでは材料と作り方です。

 

材料(4〜5人分)

マスカルポーネチーズ  250g

サヴォイアルディ(フィンガービスケットで代用可) 

A  シロップ 50ml(砂糖とグラニュー糖を同量で割って沸騰させて冷ましたもの)

A  カルーア 50ml

A  エスプレッソコーヒー  400ml(インスタントコーヒーを濃いめに淹れたのでも代用可)

・グラニュー糖  100g

・卵黄   3個分

・生クリーム 120ml

エスプレッソの粉  適量

 

作り方

1.マスカルポーネチーズを常温に戻す。

 

2.Aの材料をボウルに入れて、サヴォイアルディを浸して、容器に並べる。容器が埋まるまで繰り返す。

 

3.常温に戻したマスカルポーネチーズを滑らかになるまで混ぜる。

 

4.グラニュー糖(50g)と、卵黄を大きめのボウルに入れ白くもったりとするまでハンドミキサーで混ぜる。

 

5.生クリームとグラニュー糖(50g)をボウルに入れて8分立てにする。

 

6.④にマスカルポーネチーズを入れてゴムベラで混ぜる。8分立ての生クリームを3回に分けて入れて、混ぜる。

 

7. ⑥のマスカルポーネチーズクリームを、②のサヴォイアルディの上に流し入れ、冷蔵庫で1時間程冷やし固める。

 

8.固まったらエスプレッソの粉をかける。完成‼︎

 

よく、レストランやカフェで食べると、ココアパウダーがかかっている事が多いですが、エスプレッソの粉にする事で、イタリア度がグンッとアップします。

 

そして、エスプレッソの粉の苦味が、甘いティラミスを大人の味にしてくれるし、味の奥行きを演出してくれます。

 

小さな容器で作ると、パーティーの時には大活躍します。

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ぜひ、作ってみてくださいね,

 

それでは、buon appetito♬

 

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記事を書いた人

古瀬 要(ふるせ かなめ)

 

湘南のイタリアンレストランでシェフを務める。

その後、妻と二人で世界一周の旅に出る。

旅のテーマは“食と農業”  。

各国でCooking Schoolに通い、Farm Stayを経験する。

旅は順調に進むも、9ヶ月目に妻の妊娠が分かり帰国する。

 

旅を通して、色々な国で、働く人をみて感じた、日本人の様に仕事一辺倒にならずに、(日本の飲食業の勤務時間の長さは異常で、持続可能ではありません。)仕事も遊びも心から楽しみ、人生を謳歌するスタイルに共感する。

 

今は、「脱・日本の飲食業の常識」を胸に、自分らしい持続可能な働き方を見つける為に日々奮闘中。

イタリア料理の定番のピッツァを揚げた、揚げピッツァモンタナーラのレシピの紹介

ciao‼︎

 

当ブログは、イタリア料理のアンティパスト、プリモピアット、セコンドピアット、ドルチェのレシピの紹介と、プロのシェフが使う、料理を美味しくする一手間、考え方、技法などを紹介するブログです。

 

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(pizza Montanara)

 

今回紹介するのは、イタリア料理の王道のpizzaを揚げた、モンタナーラ(Montanara)の紹介です。

 

ピザは焼いてあるものというイメージがあるので、ピザを揚げる⁉︎とびっくりされる方が多いですが、pizzaの本場イタリアのナポリや、プーリア州には、pizza fritta(ピッツァ フリッタ)、panzerotti(パンツェロッティ)と呼ばれる、ピッツァ生地を揚げた、揚げピザと呼ばれるピッツァもたくさんあります。

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(風光明媚なナポリ

 

全くの余談ですが、イタリアでは『ナポリを見てから死ね』 と言う言葉があるくらいです。

美しい街並みですね。

 

戻ります。

特にナポリでは、揚げピッツァ専門の屋台があったり、pizzeria(ピザ専門店)でも、揚げピッツァを食べる為に通う人がいたりと、まさにナポリソウルフードとして、人気のあるピザです。

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(pizza fritta専門店のフードトラック)

 

揚げピッツァの想像がつかないと思いますので、今回紹介するモンタナーラを、簡単に説明すると、まずピッツァ生地を高温の油でサッと揚げるので、油で重くならず、揚げ物とは思えないサッパリとした軽い仕上がりになっています。

一口食べると揚げ物の特徴のサクッとした食感と、ピッツァ生地のモチッとした食感が楽しめて、僕は大好きです。

 

そして、焼いたピッツァ同様、トマトソース、トロッと溶けたモッツァレラチーズ、バジルの香りが渾然一体となって口の中に広がり、生地のサクッと、モチッとした食感と、小麦の香りが広がって、ナポリに脳内トリップしてしまいます。

 

初めて食べた時の衝撃、感動は未だに忘れられません。

 

それでは材料と作り方です。

 

材料

・ピッツァ生地   1枚

(ピッツァ生地のレシピはこちら)

↓↓↓↓

ピザ生地のレシピの紹介 - イタリアンが好き

・トマトソース 適量

モッツァレラチーズ 適量

・バジル  適量

・粉チーズ 適量

・塩 適量

 

作り方

1.ピッツァ生地を手で伸ばす。

(麺棒で伸ばすと、生地の中の空気が抜けてしまって、油で揚げた時に膨らまないのと、食感が固くなります。)

 

2.油を200度以上まで温めて、ピッツァ生地を入れる。

 

3.キツネ色くらいの色がついたら、網の上にあげて、油を切る。塩を振る。

 

4.生地の上に、トマトソース、モッツァレラチーズ、粉チーズをのせて、温めておいたオーブンへ入れる。

 

5.チーズがトロッと溶けてきたら、オーブンから出し、お皿にのせてバジルをのせて完成。

 

ポイントは、生地を手で伸ばす事。

ピッツァを職人が伸ばす映像などを、見た事があると思いますが、必ず手で伸ばしていますよね。

 

そして、油をガンガンに熱くして生地を揚げた下さい。高温の油でサッと揚げるのが、軽く仕上げるポイントになります。

 

冒頭の写真のように小さめに作ると、コロコロとして可愛くて、パーティーなどでも、ゲストに楽しんでもらえます。

 

がっつり食べたい時は、もちろん大きめに作るのもありです。

 

今回紹介したのは、トマトソースなどを上にのせる揚げピザの紹介でしたが、他にも、サラミや、リコッタチーズ、フリアリエッリ、プロヴォローネチーズなどをピッツァ生地で包み込んで揚げる、揚げピザもあります。

 

また、違うバージョンの揚げピッツァも紹介しますね。

 

それではbuon appetito♬

 

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記事を書いた人

古瀬 要(ふるせ かなめ)

 

湘南のイタリアンレストランでシェフを務める。

その後、妻と二人で世界一周の旅に出る。

旅のテーマは“食と農業”  。

各国でCooking Schoolに通い、Farm Stayを経験する。

旅は順調に進むも、9ヶ月目に妊娠が分かり帰国する。

旅を通して、色々な国で、働く人をみて感じた、日本人の様に仕事一辺倒にならずに、(日本の飲食業の勤務時間の長さは異常で、持続可能ではありません。)仕事も遊びも心から楽しみ、人生を謳歌するスタイルに共感する。

今は、自分らしく、「脱・日本の飲食業の常識」を胸に、持続可能な働き方を見つける為に日々奮闘中。